以下の文書は、平成9年(1997年)8月31日午後1時ー4時に五色町町民センターで開催された第1回五色・淡路未来フォーラムで配布されたアンケート結果です。
なお、砂尾町長からのアンケート回答はフォーラム開催当日、本人から直接手渡されましたので、この結果報告には含まれておりません。このホームページ用に赤文字で追加したものです。
いわゆる「黒い土」問題に関する
アンケートの結果報告
このアンケートは、以下の8つの項目について五色町長、議長、及び議員の皆さん方17名がどのようにお考えなのかを、お聞かせいただきたく、8月15日に配達証明郵便にてお送りいたしました。回答は自由記述式でお願いしました。8月30日現在のアンケート回収は次のとうりです。
ご回答いただいた議員の皆さん(敬称略、順不同)
武久 達二(堺)、藤井 寛(広石)、上木 正信(鮎原)、 山崎 眞靖(鳥飼)、 木下 義寿(堺)、木元 寿夫(都志)、杉本
匡一 (議長)、徳田 正(広石)
ご回答いただけなかった議員の皆さん(敬称略、順不同)
砂尾 治 (町長) 、山本 彰(鮎原)、中西 副一(鳥飼)、笹野 克己(鮎原)、森本 修市(都志)、畑 啓治(広石)、薮口 真章(鮎原)、山口 俊二(都志)、土井 敏雄(都志)
ご回答いただきました議員の皆さん、ご協力大変ありがとうございました。皆さん方のこの問題に対する誠実な取り組み方が私たち町民にひしひしと伝わってき、感激しております。なかには小論文のような内容の濃い回答もありました。一方、未だご回答いただいてない議員の皆さん、私たち町民の代表・公僕としての皆さん方のお考えをご開示いただけなかったのは大半残念です。それぞれのご事情がおありだとご推察申し上げますが、私たちは皆さんの良識を信じておりますので、アンケートへのご協力のほど再度お願い申し上げます。全員のアンケートが出そろったところで、インターネットでこの結果を全国に発信させていただく予定です。
以下、ご回答いただきました議員さんのお考えを、簡単にまとめてみました。自由記述式回答のため、そのいわんとするところがこれでは十分に伝わらない恐れもあるかと思いますが、あしからずご了承ください。なお、未回答者とのバランス事情を考慮し、回答者の固有名詞は今回は控えさせていただきました。
五色・淡路未来フォーラム
代表 山口 薫
1。いわゆる「黒い土」とは、何ですか。産業廃棄物ですか、土砂等ですか、建設残土ですか。またそれらの複合体ですか。なぜそう呼ばれるようになったのですか。
建設残土(黒ずんだ色をしていることから淡路地域では「黒い土」と呼ばれている。)(町長)
2。「黒い土」五色町搬入にあなたは賛成ですか、反対ですか。またその理由は、何ですか。
搬入に(絶対)反対 ー4名
その理由:
町議会で特別委員会を設置し、搬入規制が出来る条例案を審議中 ー3名
個人的には建設残土(島外産)搬入は好ましいとは思わないが、排除する理由がない。
賛成、反対で意志表示すべきでないと思う。町民の全体の合意に欠ける。(町長)
3。「黒い土」は誰でも自由に五色町に搬入出来るものですか。それとも町長の許可が必要なのですか。あなたのお考えをお聞かせください。
平成5年制定の「五色町土砂の搬出入事業等適正な執行に関する条例」で、他の法令による開発行為の許可を受けて行うもの等以外の事業については、申請書の提出により、この条例に適合するものであることについて町長の許可が必要。
又、平成8年より「淡路地域における残土の埋立事業の適正化に関する要項」により埋立事業計画書の届出により町長又は保健所長(1万平方米以上)の交付する受理書が必要。(町長)
4。「五色町土砂の搬出入事業等適切な執行に関する条例(平成5年五色町条例24号)」
を執行すれば、「黒い土」搬入は阻止できたのだが、現町長に「公共の福祉と住民生活の安定に寄与する(同第1条)」という情熱・使命感がなかったので、同条例が発動されなかったのだという考え方がありますが、あなたはどう思われますか。
昭和61年頃より島内に搬入されているいわゆる「黒い土」ですが、その頃より五色町にも何箇所か埋立られ、その後平成5年に「五色町土砂の搬出入事業等適正な執行に関する条例」が制定されたわけで、前町政来、その後同様発動されなかったわけではない。いかにも自分が使命感に欠けるような考え方をしておりますが、過去において鮎原上東山地区の盛土施工協定書で土壌の基準を定めていないこと等より土質による搬入規制が現実に難しい状態となった経過があり逆に公的に認めたという誤解を与え、その後ほ場整備をする地区より埋立を望む地区も増えてきている。こうゆう経緯のもとでは現状の条例では規制ができず、条例改正後でなけれぱ効果が発生しぬくいと考えております。(町長)
5。と同時に、上記条例は不備だらけで、たとえそれを執行しても「黒い土」搬入を阻止するのはきわめて難しかったという考え方もあります。もしそうだとすれば、同条例のどこが不備なのかをお教えください。
工事基準は定めているものの、搬入してもよい土質の規制を定めていない。(町長)
6。「健康と福祉の町」で全国に知られた五色町ですが、いわゆる「黒い土」汚染問題でこのイメージが急激に低下しております。これは五色町の産業、経済、観光、福祉、教育等の活性化にとってゆゆしい問題であり、将来の五色町の廃町にもつながりかねません。そこでこの危機的状況を打開するには、全国でもっとも厳しいといわれている千葉県佐倉市の「土地の埋立て及び土質等の規制に関する条例(平成9年10月1日施行)」よりもさらに厳しい条例をこの際新しく制定し、全国にその成果を問う必要があるいう考え方がありますが、あなたはこのような考え方に賛成ですか、反対ですか。その理由も含めてお答えください。
賛成 ー4名
その理由:
・許可基準の要件に「住民の同意」が判然としない。
・土質基準・土質検査について、長にゆだねるのではなく、条例上の条項としたい。後者は、方法、程度に差があり実施頻度も重要であるのに条文にはない。
・対象面積ー黒い土は搬入してはならないのであって、免責規定などは論外。
・条例適用の完全実現のための訴訟移行条項が欲しい。
賛成(埋立の構造基準のみならず搬入される上砂の土質基準を設定し土地所有者のほか土地改良区などの準公共団体にも責任の網をかぷせ、さらに地元説明会の開催の義務付けで住民の理解を前提条件にするなど住民の不安解消に期待できる。)(町長)
町議会で特別委員会を設置し、搬入規制が出来る条例案を審議中 ー3名
7。いくら厳しい条例が施行されても、町長がそれを情熱と使命感を持って執行し、町議会がそれを常時怠りなく監視していなければ、「絵に描いた餅」「張り子の虎」にすぎません。五色町の対岸小豆島で発覚した「豊島」事件がそのことを物語ってくれます。私たちの公僕として、あなたはこの点に関してどのような態度で望まれるおつもりなのかお聞かせください。
新条例制定において当事業が適正に施行されているか確認するための審査会を設け合わせて監視員の設置を検討したい。(町長)
8。最後に、五色町の土壌、飲料水が大量に汚染され、「森永ヒ素ミルク事件」のように深刻な被害が胎児に生じ、老人の発ガン率が上昇し、また流言とイメージダウンで、町内の農産物、海産物が一切売れなくなってしまったという最悪のシナリオを想定してみましょう。あなたの行政ミスでこのような事態が近い将来引き起こされたとすれば、あなたはこの結果に対してどのような責任を取るおつもりなのかお聞かせください。
土壌環境基準は非常に厳しいレベルで設定されていることにより、それを基に適正な処理ができるような新条例の検討を進めている。仮定の話には、お答え出来ません。(町長)
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フォーラム川柳
物言えば唇寒し五色町
五色町はいつからこんな独裁的な恐い町になってしまったのでしょうか。私たち家族4人は、砂尾町長の掲げる「定住と交流の町」構想に夢を託し、この4月に五色町に定住してきましたが、今回のこのフォーラム開催にかかわって、まさにそのことを実感しました。フォーラム開催案内を町営のCATVでさせないという恐るべき憲法第21条「表現の自由」侵害事件もその1例ですが、私たち家族にとってもっとショックだったのは、8月31日に五色町主催で行われるロシア・ハバロフスク少年少女民族アンサンブルのホームステイ・ボランテイア参加(五色町から正式に招待されていた)を、町長から「こんなフォーラムをやる人物は好ましくない」と、突然一方的に虫けらのように断られたからです。私のキッズはロシアの子供達が自分達の部屋に泊まってくれるのを心待ちにしておりました。私たち家族は、定住5カ月にして「村(町)八分」にされてしまったのです。でも私たち家族は皆きれい好きで、家の「ダニ退治」が大好きなんです。
-- 1町民、山 口 薫 の独り言 --
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