以下の原告証人尋問調書は、原告代理人からいただいたコピーをOCR作成したものです。乱丁があるかもわかりませんので、そのつもりでご参照ください。なお、プライバシー保護のため、むらトピア未来研究室の判断で原告の住所等の情報を一部省略しております。




住所、年齢省略

本人調書

事件の表示 平成9年ワ第73号

期日     平成10年7月3日午後1時30分

氏名   山口 薫



陳述の要領


原告代理人宮崎質間

甲第一五号証(陳述書)を示す

 これは私が書いたもので、内容に訂正するようなものはありません。

 私は淡路・五色未来フォーラムという組織を平成九年七月頃作りました。そのフォーラムの目的は本件の黒い土間題だけではありません。ただ、当面する問題で黒い土間題を取り上げました。

 黒い土間題については五色町の町民に関心が高まってたので、私たちは五色町の未来を考えるということで取り組みました。そして、この問題について専門家を交えた学習会を開きたいと思いました。そして、学習会を開くにあたって、町長や町会議員にアンケートをしました。

 「黒い土」とは、建設残土が黒く見えるのでそれを指しており、汚染された建設残土ということまで考えていませんでした。新聞も地元の方も建設残土を黒い土と表現されていたので、私はそう表現するものだと思っていました。

 平成九年七月二七日に私は鳥飼地区の集まりに参加しました。二七日は二回目の集まりで、一回目は七月一三日にありました。

 その集まりは、黒い土を搬入することに反対する方が来られていましたが、私は反対集会ではないと思いました。いずれの集会も事実を知ろうということになっていきました。

 七月二七日の集会では、具体的に学習会を開いて町民で考えようと、八月三一日に第一回フォーラムを開催するということが決定されました。それから町長や町会講員の方にも来ていただいて、この問題についてどのように考えているかお聞きしたいということが決まりました。

 そして最初集まった人達約一○○名でフォーラムを結成しました。

 七月二七日の集会で町長のリコール問題が議題にあがりましたが、町議会の解散の話はありません。町民の方からの質問で、町が町民の意見を聞いてくれなかったらという話があり、私はそれに対して一般論としてリコールという制度があると説明しました。だから砂尾町長についてリコールというような具体的な話ではありません。

乙第一三号証の一、二を示す

10 乙第一三号証の1は、私が町長に出席をお願いしました文書です。

11 アンケート調査についてかなり突っ込んだ項目になったのは、環境は将来に係わるというここと、対象者が町長及び町会議員という良識のある方なので、シナリオ分析という方法でアンケートを書いたほうがいいという結論になりました。誘導的なアンケートではありません。

12 当初八月三一日の第一回フォーラムの放送をケーブルテレビの11チャネルでしてもらおうと行きました。

13 これは町民全体の関心があり、町長や町会議員が参加予定の公的な集まりだと思っていたので、町が放送している文字放送が最適だと思いました。当初は情報センターにも11チャンネルの方がいいだろうと言われていました。

14 結局は1チャンネルの広告放送になりました。そして申し込みのときも職員の方は好意的で、日時も迫っているので準備できたらすぐに放映するといってくれて、即日放映されました。

甲第二号証を示す

15 申し込んだ時の画面の中身はこのとおりです。しかし、長い文章を短くしてほしいと言われました。

16 それで甲第一五号証の四ページの囲い部分のように私と同席した三木さんとでなおしました。この時に黒い土という言葉をチェックされたことはありません。

17 私は放送が中止されて、理由について書面で欲しいと言いました。

甲第三考証を示す

18 二六日に申し込んで二六日に放映されて、即日中止になって、翌日この書面をもらいました。

19 この書面以外に口頭での説明はありませんでした。当時の高田課長からは「町長から一切間いていません。」としか聞いていません。

20 砂尾町長と初めてお会いしたのは三年前の夏に五色町で開催された国際セミナーのあと、町長室で担当職員と話をしていたら町長が入ってこられ挨拶をしました。その後の付き合いは全然ありません。

21 フォーラムに町長の出席を要請したのは、挨拶ということではなく、町長としての立場からお考えをお伺いしたいということです。

乙8号証(陳述書)を示す

22 町長がフォーラムで発言された中身はこの陳述書に記載されているとおりです。

23 町長はフォーラムの途中で退席されましたが、町長以外にもフォーラムに参加された町会議員は四名いました。

24 黒い土搬入について私たちが条例改正の妻求を出しましたが、それについて二名の町会議員は賛成し、二名の町会議員は反対していました。

25 当時のフォーラムの参加者は約九○名でした。私たちは、一三○名ぐらいの呼びかけ人がいたので、一五○から二○○名ぐらいの町民が来ていただけると思っていました。フォーラムの放送が中止されて減ったと考えています。

26 会合の中身は、最初は専門家の講演で、次に町長が入ってこられて非常に緊迫した雰囲気になり、ほとんど発言がなく、町長が退席されて議員四名が発言されてから非常に和やかな雰囲気になり、おじいさんやおばあさんや町民の方が自由に発言されるようになりました。

27 当日ケープルテレビの取材を要請しました。私たちは来ていただけると思っていましたが、来ませんでした。町長が出席するフォーラムはだいたい町のケーブルテレビで放送されるのが常なので、おそらく本件の放送中止の影響で来られなかったんじゃないかと思います。

28 このフォーラムでは何らかの意思表明をするつもりはありまぜんでした。私自身も黒い土搬入禁止という意思表明をしたことはありません。私が黒い上を搬入するのに反対する旗頭とは町民の方も思っていないことだと思いまず。事実関係を知り、町とも連絡をとりながら、この問題を解決したと思っていました。

29 ケーブルテレビが中止になって一番の痛手は、私たちが反町長派と見られることです。私たちはただ町民が集まって考えたいと思ってやっていたのに反町長派とみられることが呼びかけ人にとっても苦痛だと思います。

30 町民にとってもこのような問題を知る機会を失われたということが残念でした。

31 ホ−ムステイの問題についても高田五色町企画情報課長から広告放送中止の電話が入ったときに同時に、ホームステイもご遠慮ねがいたいと言われました。理由は町長が、フォ−ラムをやるような人だから断ってもらいたいと言っているということでした。

乙第一四号証の一、二を示す

32 乙第一四号証の一は見たことはありません。乙第一四号証の二は私の家内が署名押印しました。家内の説明によると一人の男性が広告料を返したいといって持ってこられ、居ないと言うと先生に渡してくれと言われ、そのときに署名と印鑑が欲しいと言われ、そうしたそうです。私が帰ってきてびっくりしてすぐに情報センターに行きました。そして裁判の途中なので受領できませんと言いました。


被告代理人伊藤質間

33 一般には黒い土と言えば、汚染された土壌もふくむと理解されていますね。

   一般的には黒く見える建設残土全てを黒い土と言います。

34 昨年三月に五色町に搬入された建設残土から環境基準を越えたヒ素が検出されて、そういう問題がおこって、世間では環境に問題のある汚染された土があると問題になりませんでしたか。

  そういう人もいたように思います。

35 七月二七日の会合に行き、当時は賛成派、反対派のどちらが多いとかはわかりませんでした。後で思えば、実際に会合に来られたなかのかなりの人が反対の署名をされたと思います。

36 二度目の会合で私は一般的な話として、リコールの話をしたと思います。

37 私は平成七年夏ごろ、緑の地球ネットワークセミナーにかかわっていて、それが、平成七年八月ごろ中止になりました。その問題で町長をリコールをするというニュアンスの話をしたことはあります。

38 未来フォーラムの話は、自然発生的に学習会をやろうという話になりました。

39 アンケートの文章は私が原稿を作りました。

40 フォーラムが開催される前に、本件の放映中止があり、住民の関心は集まっていました。

41 呼びかけ人一三○人に、フォーラムに出席できるかどうかの確認はしていません。個別に案内状を送付することもしませんし、私自身は電話もしていません。他の人は電話はしたと思います。

42 賛成派のひとにも声を掛けたという話は聞いていまんが、アンケートを見ると賛成というのもありました。

43 フォーラムの参加者が少なかったのは、参加者は反町長派と言われるというようなことや新聞に書かれたのもあると思います。一人一人の呼びかけ人に確認をしたことはありません。

44 私は町長がこの問題でどういう立場の人かは知りませんでした。ほかの人から町長は消極的であると聞きましたが、私の聞いた人の判断はそのとおりだと思いました。

45 フォーラムでの松木先生の講演は、環境基準はどうして作られるのかというプロセスを話して、どうしてそれが意味を持つのかという話が主で、ヒ素については、最後に少し話をしただけです。松本先生はそういうものが水に混ざると、毎回飲む度に体に蓄積されるという話でした。

被告代理人道上質間

46 建設残土の搬入について、私の意見は、国の環境基準を越える残土の搬入は反対です。

47 こういう問題は、私が昨年四月中旬に神戸新聞で見てから関心を持ちました。

48 五色町の中では建設残土の搬入に賛成の人もいることは知っていますね。

  汚染された建設残土の搬入に積極的に賛成の人を私は知りません。

                                   以上