ジャパンフローラ2000淡路花博
セイシェル共和国出展によせて


西インド洋の115の島からなるセイシェル共和国は、人口約8万人の世界でもっとも小さい国の1つですが、「インド洋に浮かぶ地上最後の楽園」ともいわれ、また「アダムとイブの島」ともいわれています。この花博会場のある淡路島は、日本国生みの島、おのころ島ともいわれています。この東西の伝説の島が姉妹島交流(Sister Islands Exchage)を始め、島がかかえる固有の問題点や、21世紀の未来を語り合えば、必ずや新しい世界ビジョンが創造されてくることでしょう。
セイシェル共和国のジャパンフローラ2000、淡路花博へのご出展を心より歓迎申し上げますと同時に、この出展にご協力いただきました日本セイシェル協会(渡辺武達理事長)、京都市立陵が岡小学校の皆さん、および (株)グロリアツーリスト にも心より感謝申し上げます。

    

      淡路UU21平安の郷づくり協会
(淡路島最初のNPO:特定非営利活動法人)
         理事長 上木 正信

世界最小のミニガエル(体長約1cm)
Seychelles Galdineli
世界最大のヤシの実
Coco de mer


セイシェル共和国固有種 
双子ヤシの生態


双子ヤシは、セイシェル共和国の固有種で、同国プラスリン島のヴァレデメ(巨人の谷)以外には自然に生息しない。
この双子ヤシは実に不思議な生態をしめす。雌株の花が雄株から飛んでくる精子を受け、9ヶ月たつと、中が真白のジャム状になり、食べ頃となる。実を割って、それにシロップなどをかけると、えもいわれぬ味。舌のうえでころがし、のみこむと、胃の中までふんわりとした気分になり、極楽の食べ物とはこういうものなのか、という感じになる。しかしながら、この双子ヤシの実を食することは政府によって禁止されている。
この双子ヤシは、受精してからちょうど7年日に成熟して、自然に下へ落ちる。そして、実がパカッと割れて、中から固い2つ(ときには3つ、4つのこともある)の部分が出てくる。それが(ここ花博会場に展示しているように)女性の腰の部分そっくりの形をしているわけだ。
これは非常に固くて重い。大きなものになると、実1個で20キロもあるから、中の部分も1つで10キロ近くになる。
そして、この中の部分が、適当た湿り気があると芽を出す。発芽すると、1年に1枚ずつ葉を出し、25年たってはじめて花をつけ、受精し、実をならせる能力をつける。だから、若い雌株は、葉の枚数をかそえると、樹齢がわかるのだ。
雄株の場合も同じで、成長は遅く、およそ25年をすぎないと花をつけることがない。
プラスリン島の巨人の谷(ヴァレデメ)には、およそ4000本の双子ヤシの木があるが、そのうち約8割は雌株で、ここでは完全に1対4の一夫多妻である。
現在では発芽した実が人の手によって、マヘ島の植物園などに移され、プラスリン島以外でも見られる。近くのキュリユーズ島にも100本余りある。ここのものはかなりの年をへており、ミニ・ヴァレデメの観がある。

『セイシェル・ガイド』ーインド洋に浮かぶ地上最後の楽園、
 渡辺武達著、恒文社・1983年(148,149ページから引用:一部淡路UU21協会にて加筆修正)
  
  
Coco de mer, also called DOUBLE COCONUT (species Lodoicea maldivica), native palm of the Seychelles Islands in the Indian Ocean. The flowers are borne in enormous fleshy spadices (spikes), the male and female on distinct plants. Coco de mer fruits, among the largest known, take about 10 years to ripen; they have a fleshy and fibrous envelope surrounding a hard, nutlike portion that is generally two-lobed, suggesting a double coconut. The contents of the nut are edible but are not commercially valuable. Water vessels and platters are made from the shells. The empty fruits (after germination of the seed) are found floating in the Indian Ocean and were known long before the palm was discovered.

     Copyright: Encyclopedia Britannica, 1994-1999


セイシェル共和国固有種 
世界最小のミニガエルについて

 
 
正式名はセイシェル・ガルディネリ(Seychelles Galdineli)。セイシェル共和国マヘ島の海抜300メール近い山間に生息する。卵はオタマジャクシにならず、そのままカエルの形で孵化し、子供時代は親ガエルの背中に乗って暮らすという珍しい生態に特徴がある。カエルの大きさは尾てい骨と頭の先端までを計測するが、この種はたいてい1センチほどで、世界最小の部類である。なお、写真は大人の人差し指に停まった状態での撮影である。